231123初稿
231217更新
文法・語彙・発音・聞き取り = 並行して勉強するのが理想的
【文法説明の際の用例】
"..." (ダブルクォーテーション) 外国語の綴り
[...] (角括弧)発音記号
「...」 (カギ括弧)日本語読み(子音だけのときは [え段] で記す)、あるいは仏語の単語。
※半角文字のアクサン(ダイアクリティカルマーク)は、入力の都合上省略している。あしからず。
【はじめに】
「英語なんて勘とフィーリングですわ」
高校の時の英語の先生の名文句として同級生では知れわたって。
結局、語学はみんなそうなのかもしれない。
35年以上前、大学生のときの第二外国語として学んだことがあったが、
それは少なからず役に立った。全く初めてから始めるのと、
ある程度の予備知識があるのとでは心理的ハードルがずいぶんと変わるものだ。
そうでなくても、たいていの日本人には英語の下地が多少はあるし、
日本国内でもフランス語に由来するコトバやお店の看板がよくみられるので
多少は "とっつきやすい" かもしれない。
今回、改めてフランス語を勉強するにあたって、
スマホアプリ「Duolingo」で三か月ほどやってみた。
英語でフランス語を勉強すると一石二鳥。
通勤電車の中でゲーム感覚で進められた。
YouTubeのフランス語講座動画で文法の補充。
聞き流し系で単語や言い回し(熟語、慣用句、数字など)を補充。
学生の時にはできなかった発音の確認が簡単にできるようになったのはありがたい。
これくらいのレベルだということを踏まえて、
これまでにフランス語(特に英語と比べた場合)を勉強していて
感じた/感じている個人の感想を書き連ねてみる。
文字も英語と同じだが似て非なる言語だと思って始めた方がよい。
【語学は脳の筋トレ】
語学の勉強は地味だ。私はやらないが、きっと筋トレと同じ。
役に立つことがあるのは分かっているが、
よほど強い動機(もちべーしょん)がないと続かないし、身につかない。
今回は
「写真の本場フランスで、フランス語で自分の写真作品を説明する」という
高く強い動機があった。勉強を始めたのも渡仏の約3か月前からであり、
具体的な目標が目の前にあったので多少苦しくても最初にして最も高いハードルを
勢い付けて乗り越えることができたと思う。
週末とか気を抜いて一日でも休むとその度にほとんど最初からやり直しになる
感覚が分かってからは一日10分でもいいから
意識をフランス語に集中する時間を持たせるようにした。
地味だ。ホントに地味だ。地味すぎる。でも、ある日突然明るくなって、
分かるようになってくる。だからと言って一日でも休むと
あっという間に筋肉が落ちて一ヶ月分くらいは後退してしまう気がする。
まずは21日間、毎日続けよう。スマホの語学アプリ「duolingo」
【文法】
嫌がらずに最初からきちんと向き合うこと。急がば回れ。
ある日突然、わかるようになる。
複文と過去形が分かるようになると一気に表現が増えて実際上楽しくなる。
最初は現在形で勉強するのは仕方ないが、表現としては楽しくはない。
(何かは何かである)現在の一般的なことを話したって、特に楽しくない。
(何かは何かであった)自分の過去を話すのは楽しい。
(何かは何かで、それで、何かは何かである)
二つの事象を関連付けて表現できると楽しくなる。
フランス語の文法は、最初は複雑に見えるがかなり論理的にできていて、
例外事項(不規則活用など)は比較的少ないように思える。ここは頑張って
話す~聞く~書く~読むを並行して行うようにしよう。
学校や仕事でも英語の勉強は「読む」が主体であった。
大量の外国語文書から知識を吸収することが最重要事項だったのだから
そういう意味では必然的な流れだ。江戸時代の蘭学、明治の文明開化
といった流れが今でも続いている。
動詞の活用も欧州の言葉をざあっと見渡してみると
これくらいが普通だというのが素直な感想だ。
英語の活用がかなり簡略化されているのだ、きっと。
【発音と聞き取り】
自然言語の特性からして「話す~聞く」から入るのがいいはずだ。
綴りと発音との関係については例外が少ないように思えた。
特徴、というか、クセとして感じたのは:
"R" の発音はほとんど [h]。「え」の口の形で強く「は」。「えー(は)」
"H" の発音はほとんど消滅している。("R" に盗られてしまったか?)
「る」と聞こえたら、それはたぶん、ほとんど "L"
"il" =語頭なら「いる」、語尾なら「いゆ」
"s" =「ず」(濁音)
"ss" =「す」(清音)
活用語尾の "ent" は読まない。
綴りは二重母音なのに発音は単母音(ai, oi, oe, ou, au, eau, )
初見で "ai"=「え」だの"oi"=「わ」だのは、絶対想像つかないので
学生のとき、この二つだけは最初に頭に叩き込んだのをよく覚えている。
【だいあ・くりてぃかる・まーく】
"e" 単独は、ごく微かな「う」、あるいはほとんど無音。
"ou" のほうむしろ「う」に近い感じ。
e + ' (あくさん・ぐらーぶ、ダッシュの形)は、強く短く「え」、ほとんど「いっ」
e + ` (あくさん・てぎゅ、逆ダッシュの形)は、弱く「え」。("ai" より少し弱い感じ?)
i + ^ (あくさん・しるこんふれっくす)は 直後にあった"s" が省略されたっぽい。
c + , (せー・せでぃーゆ)は、 "cs" =「す」="ss"。 ("c" の発音は基本的には「く」)
鼻母音(うん系、おん系、えん系)の聞き分け/話し分けは極めて困難。
そのうち、勘とフィーリングでわかってくるようになる、のだと思う。
動詞の活用は文字で書くと複雑だが、耳で聞く分には案外わかりやすい。
微かな語尾の音の違いで単複/男女が聞き分けられることも多い。
nous/vous/ils/ellss/on の聞き取りには有効
on は 意味と活用の人称がずれている
【語彙】
まずは名詞。冠詞とくっつけて理解しておこう。
名詞の性数については、これは文化だ。とにかく、名詞はあまりにも膨大なので
テキトーにでも分類しておきたかったのだと思う。分類としてはとりあえず分かりやすい
男性/女性を援用して二分しただけなので深い意味はないと知るべし。
ただ、身近なもの、身に着けるものには女性形が多いような印象もある。
分からなかったら、とりあえず男性形にしておく。
動詞の活用からの見た目から男性形/女性形は、
Un(おん)形/Une(ゆん)形とか、Le(る)形/La(ら)みたいに脳内変換するのもいいかも。
les, des だとちゃんと覚えてないと間違える。
形容詞の活用語尾が芋づる式に間違えることになる。
語尾が s だけど単数形:
corps (身体)
cours(クラス)
語尾が e だけど男性形:
livre (本)
pere (父)
frere(兄弟)
わからかったら男性形(un型)ということにしておく。
語尾が 「 e 」なら多くは女性形(une型)。例外は「livre(本)」
語尾が 「 eau 」 ならun形。唯一の例外は「eau(水)」そのもの。
語尾の母音が聞こえたら、複数形。
形容詞などにおける名詞との性数一致は
文に書いてみるとその統一性がよくわかり、見た目にもきれい。英語には見られない特徴。
冠詞が必要なのは、連続した動詞(複合未来/複合過去とか)が終了し、
ここから名詞が始まることを確認するため。聞きことばで重要かも。
動詞が二つ、三つと続くこともよくあるので。
J'ai regarde ..... (半過去、二つ続く)
Je vais vouloir aller .... (意志+未来、三つ続く)
受動態になるとさらに続く?!
voudrais == I want
va == I will
peux == I can
dois == I must
== often
== always
== never
== not any
そのためか、不定冠詞の複数形が存在する(des)。
日本語で一人称(わたし、わたくし、ぼく、おれ、わし、etc.)にかなり気を遣うのと同様に
西洋語では性数にかなり気を遣う。
おそらくは言語の冗長性を維持するためだと思われる。
特に聞きコトバの冒頭部分はよく聞こえないことが多いように思える。。
文末のほうで性数がはっきりするので、そこから逆に主語が判明する。
文脈がわかっていると、文末のほうにある副詞句から文全体の主語や動詞が類推できる。
過去分詞は、動詞に由来する形容詞。動詞を基に作られた形容詞。(英語も同じ)
だから性数一致する。
まっすぐ 「 a gauche 」
右に 「 a gauch 」
まっすぐ行って右側に 「a gauche et a gauch」。何度聞いてもわからんかった。
綴りが英語に似ているコトバで
意味が近いものもあるが、意味が全然違うものも多い。日本語での納豆と豆腐との関係のような感じ
<ほんの少し綴りが違う>
(仏) (英)
hopital ==== hospital
appartement ==== apartment
ressembler ==== resemble
parc ==== park
adresse ==== address
dictionnaire ==== dictionary
miroir ==== mirror
<綴りはよく似ているが、意味が違う>
regarder ===== to watch
travailer ===== to work
librairie ===== bookstore
bibliotheque ===== library
【形容詞も活用するわけ】
単複/男女が直接に影響する。これは一見面倒だが、ちゃんと意味/理由があると知れば。
neuf
neuvieme
nouvel
nouvelle
nouveaux
【動詞】
・不規則活用については、日本語を含めてあらゆる言語で不可避。
「よく使うコトバだからこそ不規則になる」と知るべし。文句は言わない。
・規則活用については、まあ、ふつうに頑張る。語学をやれば普通のレベル。
...er
...ir === 英語の~izeの感じがある。
se ... 再帰動詞 ;代名詞が目的後になるときは前にやってくることと同じ。
【丸ごと覚えちゃう】
rez-de-chaussee = ground of put on (?) 靴を履く地面?
chez-moi == at my place
voila == here is ...
second == 「すごん」(!)
(un-vingt == 1 x 20)
(deux-vingt == 2 x 20)
(trois-vingt == 3 x 20)
quatre-vingt ==== 4x20 = 80
quatre-vingt-onze ==== 4x20 + 11 = 91
quatre-vingt-dix-neuf ==== 4x20 + 10 + 9 = 99
って感じ。慌てなくても使っているうちにできるようになる。
※こういうのは機会があれば語源とか調べるといいかも。大きな疑問が氷解するかも。
【知っておくといい自然言語の特徴】
ネットで語学のサイトや動画をいろいろ見聞きしていると、
多くの言語には共通した特徴が見られるという。
・言葉には冗長性を持たせておくのがベターだ(文頭はよく聞こえなかったり、
書物が虫食いにあったりする)から、話すヒト/書くヒトの側に負担がのしかかることになる。
・書くヒトより読むヒトのほうが圧倒的に多いのだから、
数少ない書くヒトの方に負担を与えておく方が全体としては効率的だということらしい。
・よく使うコトバは使いやすいように変化していく。
フランス語は、重要単語に短い音節のコトバが多くて、
さらにそれが続けて発音されるので、その判別が最初はわからなくてあたりまえ。
こうしたlieson(リエゾン)やelision(エリズィオン) は深く考えない。
口に出しているうちに、そっちの方が話しやすいやん、と悟るようになる。
不規則動詞の活用も、いっぱい喋っているうちにそっちの方が話しやすいから、
という理由っぽいことが分かってくる。
だが、それが最初にヒアリングが難しく感じる一因かもしれない。
「いりあ ....」 il y a ....
「いるにあぱ....」 il n'y a pas ...
「けすくせ?」 Que est-ce que ce?
「えすきりあ...?」 Est-ce qu'il y a ....?
「うえら...?」 Ou est le/la/les ...
一度わかってしまうと、話すのも聞くのも楽。
ただ、
「ぬぬぬ (V) ぱ...」 Nous ne nous (V) pas ... (再帰動詞の否定形)
に出会ったときは、笑ってしまったが。
やはり、「話す~聞く」はセットで勉強することになる。
【向こうは分かろうとする努力をしてくれるので、こちらも分かってもらおうとする努力をすること】
欧米にいくといつも感じることがある。現地の人のほとんどは相手が何を言おうとしているかを
必死で知ろうとしてくれる。もともと言語が多様で不慣れが外国人がいるのが普通なので、
それでもなんとか意志の疎通を図ろうと常に努力しているように見える。というかそういう文化のようだ。
通じないからといってあきらめてしまうのはむしろ日本人の方のような気がする。
相手の言うことを理解しようとする努力を怠ることがきっかけで
どこまでも地続きの欧州では、大げさに言えば、それだけで戦争の火種になるじゃなかろうか。
だから、現地のコトバを最低限でも知っているということは、世界平和に貢献する第一歩なのだ。
英語が世界共通語になりつつあるとはいえ、
例えばフランス語で精一杯な移民の人だったりすると
英語は全くわからないという状況だってありうると知るべきだ。
<つづく>